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アフリカの貧困の理由とは?現状や問題点、解決策も

世界には貧困が原因で、子どもから大人までまともな食事にありつけない生活を強いられている人々が多くいます。特にアフリカの貧困状況は深刻で、各先進国が様々な支援や解決への取り組みを行なっています。

しかし、経済的に豊かな日本に暮らす私たちにとって、この問題はなかなかイメージしにくいのではないでしょうか?そこで本記事では、アフリカ諸国の貧困の現状や問題点、解決策などを解説していきたいと思います。

アフリカの貧困の現状

アフリカの貧困の現状

アフリカ大陸でも特に、「サブサハラ・アフリカ地域」と呼ばれる、サハラ砂漠以南の地域が深刻です。

世界銀行(The World Bank)が定義する国際貧困ラインは、1日1.90ドル以下で生活している層。この国際貧困ライン以下の層は世界人口の10%、そのうちのなんと半分以上がサブサハラ・アフリカ地域に暮らす人々であるという統計(2015年)が出ています。

サブサハラ・アフリカ地域の貧困率は41.1%。100人中40人以上が貧困層にあたり、他の地域に比べても貧困率が飛び抜けて高いことが以下の表からわかります。また、近年は北アフリカ地域の貧困率も増加していると言われています。

参照元:THE WORLD BANK(世界銀行) – 国際貧困ラインに基づく地域別貧困率(2015年)

サブサハラ地域の中でも、特にナイジェリアやエチオピア、コンゴ共和国といった人口の多い国々の貧困率が高い傾向にあります。2018年の国連の報告書によると、ナイジェリアに関しては2018年時点で貧困率が64%、8000万人以上の人々が国際貧困ライン以下にあるという調査結果も出ています。

アフリカの貧困の原因

アフリカの貧困の原因は様々な要因が絡み合っており、その複雑さが問題解決を阻んでいます。

長引く内戦・紛争

長引く内戦・紛争

アフリカは16世紀以降の奴隷貿易や、産業革命の起きた19世紀以降に始まった植民地支配など、古くから西欧による搾取が行われていました。

第二次大戦後には、アメリカとソ連の対立にアフリカが巻き込まれます。それぞれの勢力の国々に武器や物資などの支援を行った結果、アメリカとソ連の代理戦争に発展。アフリカの各地で内戦・紛争が起き、治安悪化の一途を辿っていくこととなりました。

また、アフリカ諸国間の国境は植民地時代に引かれたものであり、民族をベースとしたものではないため、国内や国境を越えた民族紛争やテロ組織も大きな問題となっています。このような争いは今日でも続いており、長引くことによって経済発展を阻んでいるのが貧困の1つの原因と言えます。

不十分な学校教育

不十分な学校教育

アフリカの貧困地域によっては学校がなかったり、治安の悪さによって通学できないケースも。また貧困家庭の収入では学費や教材費を払えず、子どもたちは学業よりも働くことを優先せざるをえないという現状もあります。

十分な教育を受けられないまま働き始めるため、収入のよい職に就くことができないという貧困のループが発生。貧困層の子どもによっては犯罪組織に吸収され、自爆テロや性奴隷として利用されてしまうという悲しい現実も起きているのです。

独裁体制の政治

独裁体制の政治

アフリカには長期に渡る独裁政治を行う国家も多く、貧困の原因の1つだと指摘されています。

十分な教育を受けられない貧困層は識字率も低く、多くの人々が政治に参加できないでいます。豊富な資源がある国の場合、外国企業からの収入を得られるため、国民からの税金もさほど重要視されません。

国民が政治に不参加の状態でも権力維持が可能なため、長期化することで民主政治がなかなか根付かず、国民への富の分配が正しく行われないことで貧困悪化・格差拡大に繋がります。また軍人による独裁政権国家の場合、軍事費に多額の費用が費やされてしまうといった現状もあるのです。

はびこる汚職問題

はびこる汚職問題

アフリカ諸国の大きな問題の1つが、長年横行している権力者の汚職。政府や警察官などの公職人が賄賂によって私的に利益を得たり、罰則を逃れるといったことが頻繁に行われていると指摘されています。

国際的な援助を受けていても、汚職によって資金が不正に使われてしまう。必要なお金が国民にまで届かず、不公平な経済格差が生まれるという構図があるのです。

国際援助頼りの現状

国際援助頼りの現状

アフリカの貧困国は他国から多くの国際援助を受けていますが、先に述べた内戦・紛争や、独裁政治、汚職など、様々な原因により多額の資金が適切に使われていないという現状が指摘されています。

資金が公的サービスに行き届かず、持続可能な経済発展・経済的自立に繋がらない。このことが貧困や格差を生んでしまっているという背景もあるのです。

アフリカ貧困問題の解決策

アフリカ貧困問題の解決策

先進国はアフリカの貧困国に対して、ODA(政府開発援助)という形で援助・出資を行っています。また日本政府もTICAD(アフリカ開発会議)を主導し、2019年には横浜で第7回アフリカ開発会議を行うなど、アフリカへの支援に力を入れています。

近年では、最も多い貧困層にアプローチした商品開発やインフラ整備、人材教育を普及を目指す「ベース・オブ・ピラミッド(BOP)」と呼ばれる投資の考え方が広まっています。貧困国の問題を解決しながら利潤を得ることで持続可能な支援に繋がり、国連開発計画(UNDP)もそのような企業の支援を積極的に行っています。

アフリカ貧困問題の解決策2

インターネット(3G/4G、Wi-Fi)やスマホをはじめとしたテクノロジーの普及も、貧困国の経済的発展への鍵と言えます。情報が民主化して多くの人たちがアクセスできるようになることで、全体的な教養やスキルの向上に繋がることが期待できます。

2018年には世界銀行グループとアフリカ各国のICT大臣による「アフリカのためのデジタル経済イニシアチブ(DE4A)」がスタート。貧困層にある人々とデジタル金融や政府サービスの結びつけを進めています。

アフリカ貧困問題の解決策3

実際にケニアでは「Mぺサ」と呼ばれる電子マネーや、医療費の積立を管理するアプリを提供する「Carepay」などが普及。先進国よりも先んじて途上国で広まる「リバースイノベーション」が起き始めています。

余談ですが、チュニジアの路上の野菜売り青年が摘発に反発し焼身自殺をした事件は、独裁政権に対する反政府運動に発展しました。この運動がジャスミン革命→アラブの春と、国内だけでなくエジプトなどにも大きく広まった背景には、FacebookなどSNSの存在があったと言われています。

あらゆる原因によって貧困が起きているため、これらがすぐに問題解決に繋がるとは言い難いのは事実です。しかし、アフリカへのベース・オブ・ピラミッドやリバースイノベーション、加えてESG投資(*1)などが加速していけば、貧困国が経済自立し、いずれは投資した先進国にも返ってくるという好循環が期待できるのではないでしょうか。

*1 ESG投資:環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス=企業統治(Governance)の3つの観点で、企業の将来性や持続性などを評価して選別する投資方法。

最後に

アフリカの貧困は決して他人事ではなく、歴史的な観点からも多くの国が責任を持って支援をしていく必要があると言えます。

先進国と言われる日本に暮らす私たちにはなかなか想像しにくいからこそ、今後もWEELSでは読者の方々に貧困問題に関心を持ってもらえるような発信をしていきたいと思います。

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