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発展途上国の教育問題解消に貢献したい。ウガンダでの図書館設立を目指す高校生

関西の公立高校に通うAnnie(アニー)さん。発展途上国の初等教育における問題に関心を持ち、高校3年生として学業に励む傍ら、NPOや社会貢献プロジェクトの活動などにも参加しています。

とあることがきっかけで、ウガンダでの図書館設立を目指す「Uganda Library Project」を自ら立ち上げ、現在は設立資金を調達するためのクラウドファンディングに挑戦中。

「ウガンダの子どもたちが、将来の道を自ら選択できるような未来をつくりたい」。今回は、そんな想いで活動するAnnieさんにインタビューさせていただきました。

Annieさんのプロフィール

高校3年生。学校では生徒会委員を勤め、文化祭委員長も経験。学校外の社会貢献活動にも積極的に参加しており、特に発展途上国の初等教育に強い関心を持つ。

環境プロジェクトを通した社会貢献活動

 

環境プロジェクトを通した社会貢献活動

現在は高校3年生として普通に学校生活を送っていますが、学校外の活動にも積極的参加させてもらえるような校風があり、先生たちもとても協力的です。

もともと社会貢献に興味があったので、TwitterなどのSNSで環境に優しいプロジェクトを自分で見つけ、学校を通して参加させてもらっています。具体的な活動の例としては、使い終わったカイロを集めて、設置されているリサイクル回収ボックスに入れるといったものです。

このような活動を通して社会に貢献するだけでなく、社会が抱えている様々な課題を知ることができています。また、生徒会のメンバーと一緒に参加するのも楽しく、「こういうのを一緒にできたらいいね」といった話もよくしています。

発展途上国の教育問題に関心を持ったきっかけ

 

発展途上国の教育問題に関心を持ったきっかけ

もともと発展途上国、特にアフリカにおける初等教育の問題には関心があり、高校1年生のときには既にNPO主催のイベント活動に参加しだしました。

ただ、さらに深く団体のプロジェクトに関わりたいと思ったのは、高校1年生の終わりのころ。「発展途上国の初等教育」を題材にした英語の授業がきっかけでした。

その授業の中でも特に、最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタンの人権運動家のマララさんがニューヨーク国連本部の演説の中で放った、

「One Pen Can Change The World(1本のペンで世界を変えることができる)」

という言葉がとても印象に残りました。

そのときに知った「世界中のみんなが日本のように当たり前に学校に通えるわけではない」という事実を改めて認識したときに、とても強いショックを受けてしまいました。

と同時に、発展途上国における貧困と教育の関連性や、教育環境の改善、教育の重要性に対する意識などを考え始めるきっかけにもなりました。次第に、将来はアフリカの教育環境改善に携わりたいという想いが強くなり、高校2年生くらいから本格的にNPOのプロジェクトに参加するようになりました。

ウガンダの小学校に図書館を設立したい

 

ウガンダの小学校に図書館を設立したい

本格的にNPOの活動に参加するようになってからは、イベントを開催するようにもなりました。

例えば、コロナウイルス感染拡大防止のための休校期間中に開催したオンラインイベントでは、NPOの中で活動する数ヵ国の教師をゲストスピーカーとして招き、アフリカで実際に行われているSDGs(持続可能な開発目標)における実例などを伝えてもらいました。

活動では特にウガンダの現地にいる教育関係者の方たちと関わる機会が増えていき、初等教育の現状や問題点などを日本の学生向けに英語でスピーチしてもらうというイベントも実現させることができました。

そのような活動の中で出会ったのが、ウガンダで小学校の教師をしているAllanさんです。彼は私に、学ぶのが大好きな現地の子どもたちに十分な本を与えてあげられなかったり、コロナ禍で望まぬ妊娠をしてしまった生徒がいる、といった現状を話してくれました。

その話を聞いて、教育がどれだけ子どもたちの将来のために重要なのかを再認識しました。「子どもたちに学びの機会を与えたい。そのために私には何ができるだろうか。」ということを自問した結果、1つの答えに辿り着きました。

「本を読める場所がないなら、図書館をつくればいい。」

そう思い立ち、現地で活動するコミュニティやAllanさん、その他の教師の方々と一緒に協力し、図書館の設立を目指す「Uganda Library Project」を立ち上げることになりました。

クラウドファンディング「ウガンダの子どもたちのために図書館を作りたい!!」はこちら

図書館がもたらす可能性

 

図書館がもたらす可能性

活動をしていく中で現地の人たちと話していると、発展途上国ではやはり子どもたちの学びの機会が非常に少ないということを痛感させられます。

子どもたちが将来進む道を自ら選択できるような未来をつくるためには、新しい知識をどんどん身につける必要があると考えています。そういった意味で言えば、読書は知識を得るのにとても適しており、豊かな人生を送るための創造力を育めるものです。

私は読書が好きで、今まで本からたくさんのことを学んできました。ウガンダの子どもたちも本を読むのが大好きなので、図書館を設立することは彼らの教育にとってとても意味のあるものになると信じています。

クラウドファンディングを選んだ理由

 

クラウドファンディングを選んだ理由

ウガンダに図書館を設立するにあたって、クラウドファンディングでの資金調達に挑戦することに決めました。とある建物をリノベーションして図書館にするのですが、それにかかる費用の36万円を目標金額としています。

ウガンダの公務員の月給は、日本円にして2,000円に満たない程度です。リノベーション費用の36万円の額は、ウガンダ人の感覚だとおよそ3,600万円。現地でこの費用をまかなうのは現実的ではないと思い、日本から支援させてもらうことにしました。

クラウドファンディングにした理由は、ただお金を集めるだけでなく、現地の教育環境の具体的な現状や世界の教育格差なども伝えたかったからです。今はTwitterやInstagramといった拡散力のあるSNSを活用し、このプロジェクトを広めるべく奮闘しています。

世界のあらゆる問題を解決していくには、大きな力が必要だと考えています。そのためには社会貢献活動をしている人たちだけでなく、より多くの人たちが関心を持ってもらうことで世界を変えていけると思います。

このプロジェクトを通してどんどん発展途上国の初等教育について広めていきたいので、応援してもらえるととても嬉しいです。

今後の展望

 

今後の展望

今後の展望としては、まずはこのクラウドファンディングを成功させ、ウガンダの子どもたちが安心して勉強できる図書館を設立できればと思います。

ウガンダが指定する小・中学生向けのテストがあるのですが、今回関わる地域の子どもたちの不合格率は70%。図書館をつくって子どもたちに利用してもらい、そのテストの合格率を15%以上引き上げたいというのもこのプロジェクトの目標の1つです。

個人的に将来は、発展途上国の親たちに教育の大切さなどを伝えたり、子どもたちが自ら将来のことを考えられるような教育を受けられる環境をつくる活動などをしていきたいと考えています。

教育問題は複雑で、歴史や政治、宗教、紛争など、あらゆる問題が絡み合っています。そのため、何か1つ達成したからといって全てが解決されるようなものではありません。これからも色々なことを学んだり考えながら、色々な価値観の中でお互いを受け入れられる新しい未来をつくっていきたいです。

最後に

Annieさんと実際にお話をさせていただき、高校生でここまで考えて行動できるなんて本当にすごいなと思いました。プロジェクトへ情熱を注ぐ彼女が話すのを見ていたら、自然と「なんとかクラウドファンティングに成功してほしい」という感情が湧いてきました。

WEELSでは今後もAnnieさんの活動に注目しながら応援していきたいと思います。皆さまも本記事を読んでいただいたら、ぜひともシェアしていただけると幸いです。

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